「ポジティブはネガティブから生まれる」ミセス大森元貴の創作哲学がグサッと刺さる第91回より

外見からのアプローチと
いせたくや役の内面の掘り下げ

 演じるにあたって、体重を増やしたり髪形も思いきって変えたりした。

「3キロくらい増やしたと思います。髪形はちょっと前まで襟足を金髪にしていましたが切りました。実は、朝ドラで襟足を切って黒髪にするから、その前に逆に伸ばして、バッサリ切ったら驚きがあるかなと、楽しみながら準備していたものなんです」

 外見からのアプローチのほか、大森さんはいせたくやの内面をこのように捉えた。

「すごくピュアで、何のよどみもなく音楽と芝居に対して誠実でまっすぐな人物。たまに周りが見えなくなるほど愚直に生きていると感じました。純粋すぎて結婚を何度も繰り返すのですが、それも純粋に真っすぐ人を愛しているだけあって、恋愛に限らず、誰に対しても真っすぐなんだと思います」

 いずみたくさんはミュージカルからCMソング、子ども向けの童謡と作品の幅が幅広い。Mrs. GREEN APPLEの活動も非常に多様だ。同じ音楽を生業としている者として、いずみたくさんにシンパシーも覚えると語る。

「いずみさんが純粋に人を明るくさせようとしているところや、音楽は一つの娯楽に過ぎない、されど……という点においてすごく魂を注ぎ込んでいると感じ、そこにシンパシーを感じます。

 Mrs. GREEN APPLEは日常、当たり前に存在している大衆ソングを作りたいと思っています。それは聞く人を明るくしたいということが根幹にあって。バラエティをやらせていただいたりするのも、難しいことを考えているアーティストというイメージよりも、僕らの存在や楽曲を楽しんでもらいたいと思ってのことで。いずみたくさんとはそこが似ているのかなと思います」

 今年は映画『#真相をお話します』にも主演として出演し、演技力が話題になった。演技と音楽活動の違いはどんなところにあるのだろうか。