
日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月曜から金曜までチェックし、当日の感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年続けてきた著者による「見なくてもわかる、読んだらもっとドラマが見たくなる」そんな連載です。本日は、第90回(2025年8月1日放送)の「あんぱん」レビューです。(ライター 木俣 冬)
にぎやかな結婚祝いの
サプライズパーティー
のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)が結婚し中目黒の長屋で暮らしはじめた。そこに大挙して押しかけてきたくら(浅田美代子)、羽多子(江口のりこ)、蘭子(河合優実)、メイコ(原菜乃華)。朝田家総出のサプライズパーティーに「厄介者の母でございます」と登美子(松嶋菜々子)まで顔を出す。
さらに千代子(戸田菜穂)も現れた。
羽多子に呼ばれて「うれしゅうて御免与町から飛んできました」と満面の笑みの千代子。
「お義母さんおばさん、大歓迎です」とのぶ。その横でぼーっと立っている嵩。いったい嵩は千代にどのように報告したのか。育ての親なのに。なんてことはここでは問うまい。お祝いの場面を楽しもう。
にぎやかな大家族パーティーのはじまり。しかも女性だらけ。男たちはみんな亡くなりいまや女性だけ(男は嵩のみ)。柳井家の新居には、結太郎(加瀬亮)の帽子、釜次(吉田鋼太郎)、寛(竹野内豊)、千尋(中沢元紀)、次郎(中島歩)の写真が並んだ。こうなれば、次郎の写真があっても気まずくなさそう。
せっかくだから、清(二宮和也)の写真もあってよかったかもしれない。棚に清の形見の手帖が飾ってあるか目を皿のようにして探せ。