「あなたを知りたい」という
気持ちを前面に出す

 ではどうするか。ポイントはふたつある。

 とくに相手が先輩、上司、年上など、目上の人だった場合、敬語や丁寧語を使ったとしても、相手への関心を示す質問をして、相手に近づいてみよう。

 たとえば、あなたが営業パーソンだったとして、目の前に、エネルギーに満ちあふれている社長がいたとする。“忙しそうだけど、身体を鍛えたりしているのだろうか”という疑問が頭に浮かんだら、「ハードなスケジュールをこなされているので、体力も必要かと思いますが、休日に運動をされていますか?」と聞いてしまう。

 ただ雑談をしているようで、「相手について聞く」「相手について知りたい気持ちを示す」だけで、仲良くなるきっかけができるものだ。

 喜んで話してくれる人もいれば、「時間がなくて全然」と返ってくるかもしれない。

 さらに「学生時代はいかがでした?スポーツされていたようにお見受けします」などと、重ねて聞いてしまう。

「実は野球をしていたんですよ」と話してくれたら、「野球」をキーワードに、「お仕事でチーム作りに役立てていらっしゃることはありますか?」などと、相手の核心に迫ることもできる。気づいたら、相手は身を乗り出して会話をしているかもしれない。

相手との壁がなくなる
「ちょいタメ口」戦略

 敬語が持つ「親しくない人と距離を取る」特性を逆に利用して、相手に一歩近づくこともできる。「ときどきくだけた表現をまぜる」のだ。

 とはいえ、いきなり「でもさあ」などとカジュアルすぎると、相手がひいてしまう。

 タイミングを考え、ブレンドする感じがよい。たとえば、自然発生的に、自分の感情や相手への反応を示す「思わず出てしまう」場面で使える。

 相手が何かほめてくれたら感情そのままに「わあ、うれしい」と口に出したあとで、「励みになります」と丁寧に添える。