世代&出身地トークで
陥るワナ

 初対面の人と仲良くなるための突破口を開こうとして、共通の話題を探すことがあるだろう。そうしたときに盛り上がるのは、世代トークだ。

「バブル世代」「団塊ジュニア」「氷河期世代」「デジタルネイティブ」「Z世代」……同じ世代と知ると、なんだかすぐに仲良くなれそうな気がする。

 しかし、実際に互いの距離が縮まるかといえば、そうでもない。

 世代トークのワナである。

「昭和世代は一致団結が得意だよね」

「平成生まれは学歴にこだわりがないよね」

「デジタルネイティブは情報発信が得意だね」

 そうだよね、と一致したところで、お互いのことは何も知らないで終わる可能性だってある。

 話題は「相手とあなたのこと」ではなく、「世代についての一般論」だからだ。

 出身地トークも同じだ。互いに関西出身だとわかったとして、「関西の人はこうだよね」と会話が弾むとする。しかし、「関西について」語るだけでは、相手を知る手がかりにはならない。

 それどころか、互いの距離が離れる可能性だってある。同じ世代、同じ地域の出身でも多様性があり、経験が異なったりするからだ。

 自分が「アナログ世代」と思っていたら、相手は最新の技術を取り入れているかもしれない。同じ関西でも京都と大阪、兵庫をひとくくりにはできない。関西人は全員、阪神タイガースが好きだと思ったら大間違いだ。

 もし相手と仲良くなるために世代や出身地トークを取り入れるなら、

・「○○世代」だけど、自分はこういう考え方をする

・「○○出身」だからこそ、こんな生活が心地いい

 というふうに、それをきっかけに自分や相手の話をして、互いの価値観を深掘りするのがいい。

 共通項を見つけるためのトークはひまつぶしにしかならないのだ。