しかし、アフガニスタンやイラクに駐留するアメリカ軍に対しては、反対勢力からの攻撃が続きました。また、フセイン体制が大量破壊兵器を保有しているというのは、まちがいだったことも分かりました。
アメリカ軍は2011年にイラクから、2021年にはアフガニスタンからも完全に撤退します。アフガニスタンではタリバン政権が復活し、アメリカなどが20年間取り組んできた新しい国づくりは失敗に終わりました。
第二次世界大戦後、アメリカは「世界の警察官」と呼ばれ、同盟国やそれ以外の地域の安全にも積極的に関わってきました。
しかし、アフガニスタンやイラクでの長い戦争によって、アメリカは疲れ果ててしまったようです。2013年にアメリカのオバマ大統領は「アメリカは世界の警察官ではない」と宣言し、次のトランプ大統領も「アメリカ第一」を掲げました。
第三次世界大戦のリスクを
負ってまでアメリカは戦えるか
その間、中国が経済的に力をつけ、軍事力も増強させていきました。
中国は周りの国ぐにに圧力をかけ、たとえば日本とのあいだでは日本の領土である尖閣諸島を自分たちの領土だと主張し、周辺の海に船を繰り出すなどして、日本への嫌がらせを続けています。また、南シナ海の大部分を自分のものだと言い始め、東南アジアの国ぐにともトラブルになっています。
2010年に中国の楊潔チ(
さらに、中国の習近平国家主席は、台湾に侵攻することもありうると堂々と述べています。
1949年に中国共産党が中国国民党との内戦に勝利して中華人民共和国を建国した際、国民党の中華民国は台湾に逃れました。その後台湾は今日まで、中国の支配を受けず、選挙で自分たちの指導者を選ぶなどしてやってきました。
ところが中国は台湾の主権を認めておらず、中国からすると、台湾を無理やりにでも併合することで、中国統一が完成する、との考えです。