
仕事の締め切りを前にして、「前倒し」で進める人、「先延ばし」にする人がいる。共同作業が必要な場においては意見がぶつかることもあるが、そんなときはどう対応したらいいだろうか。タスクマネジメントについて研究する心理学者が解説する。※本稿は、安達未来『締め切りより早く提出されたレポートはなぜつまらないのか 「先延ばし」と「前倒し」の心理学』(光文社)の一部を抜粋・編集したものです。
早めに仕上げても評価されない
「前倒し派」に足りないもの
個人、二者関係、集団・社会という3つの視点から、効率的なタスクマネジメントのあり方を考えていきましょう。
先延ばしで発生するさまざまな問題については、すでに実践的な介入も行われていますが、過度な前倒しについては対策が不十分なのが現状です。ここでは、前倒しの傾向が高い人への具体的な対策を考えていきます。
前倒し派の人のなかには、「いつも早めに報告書を上げているのに上司の評価が上がらない」「レポートを早く提出しているのに成績が悪い」という悩みをかかえている方もいらっしゃるかと思います。