「自社のこと」という認識を持ってパワハラセミナーを受けてもらい、パワハラ抑止までつなげるには、下記のような方法があります。
手法1 講師を社内のひとにする
外部講師は専門家として十分な知見はあるものの、各社の実情を把握しているわけではないため、一般論になりがち。講義に迫力を持たせるには、社員が講師として会社における事例を解説します。
外部講師は専門家として十分な知見はあるものの、各社の実情を把握しているわけではないため、一般論になりがち。講義に迫力を持たせるには、社員が講師として会社における事例を解説します。
手法2 セミナーのなかで疑似体験させる
参加者に台本通りにパワハラの場面を再現してもらう。こうした疑似体験による感情は、ひとつの体験として記憶に残りやすく、パワハラに対する抑止力となります。
参加者に台本通りにパワハラの場面を再現してもらう。こうした疑似体験による感情は、ひとつの体験として記憶に残りやすく、パワハラに対する抑止力となります。
パワハラ社員役を部下に、被害者役を上司にする。上司は部下からきつい言葉をあびせられて嫌な気持ちになる一方、部下は上司に対してきつい言葉をあびせることで上司の感覚を垣間みることができ、お互いの気づきになります。
営業所など、本社からの目が届かない場所では若手社員が相談先もなく悩んでいるケースが少なくありません。若手社員は、現場の上司からの報復をおそれて簡単には言いだせないもの。もめるくらいであれば、適当な理由をつけて退職していく。「調子はどう」と経営者が定期的に声をかけるだけでもパワハラ抑止となります。
セクハラをしたことを
なかなか認めないケース
事例紹介
飲食業を営むA社では、パート社員から支店長によるセクハラ被害について申し入れがありました。経営者は支店長に「何をやっている。どう責任をとるのか」と詰め寄りました。しかし、支店長は「根拠あっての指摘なのか」と、逆に経営者を責めるようになってしまいました。
飲食業を営むA社では、パート社員から支店長によるセクハラ被害について申し入れがありました。経営者は支店長に「何をやっている。どう責任をとるのか」と詰め寄りました。しかし、支店長は「根拠あっての指摘なのか」と、逆に経営者を責めるようになってしまいました。
この事案では幸いなことに被害者が職場の友人に前から相談していました。その方が協力してくれたので事実確認ができました。ただ正直なところ、友人の証言だけでは根拠として不十分です。
「友人だから有利な話をしているだけ」と反論される余地があるからです。裁判になっていれば、証拠として不十分という判断がなされていた可能性もあります。それがなかったのが救いでした。