採用面接で「ミスマッチ人材」を採ってしまう中小企業の決定的な特徴写真はイメージです Photo:PIXTA

どこの会社にも、組織とフィットしない「問題社員」は存在するものだが、彼らとて無試験で会社に入ってきたわけではない。採用面接で責任ある立場の人間が、「この人、イイ!」と太鼓判を押しているのだ。なぜ企業は「ミスマッチ人材」を採用してしまうのだろうか?※本稿は、島田直行『知識ゼロからの問題社員のトラブル解決 円満退職のすすめ方』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。

労働事件の原因は
「採用のミスマッチ」

 ここでは、問題社員のリスクを減らす「採用」について説明します。

 そもそも労働事件の99.9%の原因は、採用のミスマッチにあります。問題社員は、採用当時から問題社員というわけではありません。会社と社員の価値観のミスマッチがしだいに普通の社員を問題のある社員へと変容させていきます。

 日本は、労働人口の減少という大きな問題を抱えています。「やっと応募があった」と選考もせずに採用してしまうと、価値観の合わないひとまで雇用するリスクが増えていきます。

 ただでさえ疲弊している職場に問題社員を送り込んでしまうと、さらに現場からの顰蹙を買うことになります。場合によっては、社員の一斉退職という憂き目にあいかねません。

 いったん採用をすれば、仮に社員に問題があっても、解雇することは困難です。つまり、経営者に残された裁量は著しく制限されてしまいます。

 逆に採用については経営者に対して「採用する・しない」の広い裁量が認められています。