それをできるのが、マネジメントする側にまわった40代の醍醐味だともいえます。たとえば、部下の日報のチェックが面倒だと思ったら、やめてしまえばいいのではないでしょうか。

 書くほうもチェックするほうも、儀式的にやっているのなら、続ける意味がありません。朝礼で報・連・相の場を設けるなど、別の方法に切り替えれば問題ないでしょう。

ツールを活用しながら
「やらないこと」を決める

 私も以前は朝礼で当日のスケジュールをみんなで報告し合っていましたが、「パソコンで共有すればすむな」と気づいてから、その方法に切り替えています。

 いまはグーグルカレンダーで、仕事だけではなくプライベートのスケジュールの一部も書き込み、社員全員で閲覧できるようにしています。

 そうやって仕事を見直してみれば、やらなくていい仕事はけっこうあるでしょう。

 会議やミーティングをもっと減らせるかもしれませんし、「会議のプレゼンで使う資料はA4・1枚でいいのでは?」「自分のPCのデータを共有すればいいのでは?」と気づくかもしれません。

 もっと根本的な部分で休日出勤をやめよう、残業はやめよう、とやらなくてもいいことが見えてくる可能性もあります。

 それもワーク・シフトの一環です。

 さらに、私は、40歳を過ぎてから、会う人をかなり選ぶようになりました。

 昔からのつきあいがある人でも、会うと会社や家族のグチばかりこぼすような人とは、どうしても疎遠になってしまいます。

 アドバイスを求められて、「こうすればいいんじゃないかな」と提案すると、「いやいや、それは時間がないから無理」とできない理由ばかりを述べる人もいます。そういう人と会って話していても、残念ながら生産性が上がりません。会ったあとにどっと疲れてしまうので、最近は波長が合う人とだけ会うようになりました。

 スティーブ・ジョブズは「なにをしてきたかと同じくらい、なにをしてこなかったかを誇りたい」という言葉を残しています。