本当は時間をつくれるはずなのです。

 それができないのは、部下に仕事を任せるのがヘタだったり、効率よく仕事をこなせていなかったり、あるいは毎晩のようにお酒を飲んだりしていて時間を浪費しているからかもしれません。

40代は隙間時間の
過ごし方を改める

 私は、「40代は、いったん立ち止まって思考をめぐらせる時間を持つべきだ」と思います。

 1日10分でも15分でもかまいません。なんともなしにスマホでSNSや動画を見たり、メールをチェックしたりせず、思考の時間をつくってほしいのです。

 ひと昔前は、タバコを吸う人たちはこういう時間がありました。喫煙所で物思いにふけるのは、実は大切な時間だったのではないかという気がします。

「あ、あの案件もそろそろ進めないとな」

「さっき、鈴木にきつくいいすぎちゃったかもな。あとでフォローしておこう」

 このようにタバコを吸いながら、やらなくてはいけないことを思い出したり、自分の行動を反省したり、さまざまなことを振り返る時間になっていたと思います。

 いまは仕事の生産性を上げるために隙間時間も有効に使え、という考えが浸透しています。

 だから電車の移動時間もスマホをいじったり、そうでなければ居眠りをしていたりしている人ばかりです。

 20代、30代はそういう時間の使い方でもいいでしょう。私も電車のなかでは1分1秒たりとも無駄にしたくなくて、本を読んでいました。

 そういう生活をしていると時間が過ぎるのが速く、あっという間に1年、5年と過ぎてしまいます。気がついたら玉手箱を開けた浦島太郎状態です。

 したがって、40代は、どこかで強制的にスイッチを切って、思考する時間を持つべきなのです。進むばかりでなく、流されるばかりでなく、立ち止まる時間も必要ではないでしょうか。

 そういわれても、「朝から晩まで働き詰めで時間がない」と思っている人も多いでしょう。しかし、時間はつくるものです。