全体の認知度は25%
理解度はわずか9%
7月30日に国際NGOプラン・インターナショナルは「#一億人のためのSRHR」キャンペーンをスタートした。
これはSRHR推進のためのキャンペーンだというが、「SRHR」と聞いてピンと来る人の方が現状では少ないだろう。
説明は後述するとして、まずキャンペーンに先立ったアンケート調査(15〜64歳の男女1万人を対象)では、日本全体でのSRHRの認知度は25%、理解度はわずか9%だった。
しかし如実に世代間での差があり、たとえば50代では認知率が12%、理解度が5%だったのに対して、15〜19歳では認知度が22%、理解度が18%。全世代を通じて、10代がもっとも認知度、理解度ともに高い結果となった。全体としての認知率は低いが、年齢が若いほど認知度・理解度が高い結果となっており、若い層に特に浸透しつつある概念だということがわかる。
それではSRHRとは一体なんなのか。
SRHRは「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」の略で、日本語訳では「性と生殖の健康と権利」となる。なるほど、単語の意味はすべて理解できるが、具体的にそれが指し示すものはなんなのか。
同アンケートでは、SRHRが重視する意識について13項目を挙げている。たとえば「からだのプライバシー権」「どのような性を生き、表現するかの自由」「性的な行為の相手を選ぶ自由」「結婚の自由・選択権」「子どもを持つ、持たない自由」「恋愛の自由・選択権」「性と生殖に関する情報へのアクセス」などだ。
すべて大切な権利や情報だが、何を重要としているかや、現在何を尊重されていると感じているかは性別・世代によって異なっている。
一部のみ抜粋すると、たとえば「尊重されていると思う項目」について、男性の20代・30代のトップは「子供を持つ・持たないの自由」となっているが、女性の場合10代〜40代までトップは「恋愛の自由・選択権」。
女性の場合、家族や親族から「子どもはどうするの?」と聞かれることも多く、「出産は女性の大事な仕事」と位置付けている政治家もいる。こういったプレッシャーが女性にのしかかりがちな一方、恋愛については比較的自由に選択権があると感じているのかもしれない。