阪大生の生活と性格

 阪大生の基本は「まじめ」である。「勤勉」「地味」「おとなしい」というのが、外から見た確固たる印象なのだが、阪大生たちはそう見られることを歓迎しない。その抵抗は「日本で3番目」のプライドの表出かもしれない。

 もっとも、近年は勉強を継続できる派と、つらすぎて単位取りを諦める派の二極化傾向がみられるそうだ。特に理系学部では、大学に来なくなる学生や、留年する学生がけっこういる。それだけ大学での勉強が大変なのだ。

「京大合格には才能がいるが、努力で入れる大学の頂点が阪大。だから優秀な高校出身の真面目なガリ勉ばかり。神戸大の方がいろんな人が集まっているイメージ」(人間科学部生)、「東大はクラスがあるが阪大はコミュニティをつくる機会が与えられず、育児放棄と呼ばれている」(法学部生)と他大学と比べて不満の声もちらほら。庶民派を自称する学生も多いが、実際のところはエリート意識が強い。

 そんな阪大生たちは勉強以外のことが総じて苦手。ファッション方面に関してだと、男子は自他ともに「ダサい」と認める。女子学生からは「女子校出身なので、阪大のあまりの地味さとまじめさに驚いた。なるべく染まらないようにしている」との談あり。「インスタ交換しよう、とはならない人種」(工学部生)

 大阪出身の学生は4人に1人で、兵庫、京都、奈良を加えた2府2県の出身者が全体の約半数を占める。キャンパス内では関西弁と地方弁が入り交じった“阪大弁”が飛び交い、「大阪出身者も2~3年経てばイントネーションがおかしくなる」。国公立大の中でも比較的浪人率が高く、現役と浪人の割合は文系ではおよそ3:1、理系では3:2となっている。

 周辺の家賃は月5万円が平均。古くて狭い物件でよければ3万円前後から。学寮も男子寮、女子寮ともに2棟あり、個室なのに寄宿料はグローバルビレッジ以外なら月額6000~9000円台と良心的。2回生から吹田に移る学部生も、「引っ越すほどの距離でもないし、石橋の方が便利」と石橋周辺に住み続ける人が多い。

 バイトで多いのは塾講師や家庭教師、飲食・販売業などで、外国語学部では日本語教師や通訳・翻訳の仕事の依頼がくることもあるとか。「伊丹空港やエキスポでバイトする阪大生も多い」そう。

 クラブ・サークルは、公認団体だけで体育系が60団体、文化系が71団体あり、3~4割が参加。歴史があり、100人以上が所属するマンモスサークルも多い。「理系学部は2回生から吹田に左遷されるため、フェードアウトする」(理学部生)。

「サークル活動においても、先を読む力はあるけれど頭でっかちで結局動けないのが阪大生」。周辺の女子大とのインカレサークルもあるが、阪大男子は合コンしたくない大学ランキングの上位常連。