デジタル大臣へのインタビューをお願いするに至った経緯
今回は珍しく国家レベルのお話をいたします。平将明衆議院議員(デジタル大臣)へのインタビューを敢行しました。

かようなビッグショットへのインタビューが実現したのには、あるきっかけがあります。
6月に、第41回大平正芳記念賞の表彰式がありました。
大平正芳記念財団の理事長である大平知範氏と厚誼を頂いているため、私も記念式典の末席に参加していたのですが、その際にスピーチに立たれた平大臣のお話が余りにも衝撃的だったのです。その場で大臣にお願いをして、「それじゃ後日、議員会館でゆっくりと」という話に相成りました。
しかし6~7月といえば、選挙前後のお忙しい時期。超多忙な大臣の貴重なお時間を頂戴し、恐縮至極であります。また、難しい時間調整を頂いた秘書官諸侯にも感謝であります。
それでは早速お話を伺いましょう。
ロシアはウクライナに、開戦前からサイバー攻撃を仕掛けていた
フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):今日はお忙しい中ありがとうございます。大平財団の表彰式で、大臣がお話しされた「日本のサイバーセキュリティ」が余りにもショッキングだったため、ぜひ詳しくお話を伺いたいと思いました。
ロシアがウクライナに攻撃を始めるずっと前から、実は水面下でサイバー攻撃が始まっていたというお話。新聞などでチラッと読んだ記憶がありますが、それをあのような公の場で、しかもデジタル大臣が話されたというのが衝撃で……。
デジタル大臣、内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障)平将明(以下、平):話した内容は、厳然たる事実ですからね。今、ロシアとウクライナが戦争をしていますが、戦闘機や戦車が物理的な攻撃を行うずっとずっと前から、サイバー空間で激しいせめぎ合いが行われていました。
サイバー攻撃といってもさまざまな攻撃方法がありますが、一番有名なのはロシアがウクライナの鉄道のメインサーバーに侵入して、痕跡を消して潜伏をしていたといわれていることです。ロシア側がその気になれば、任意のタイミングでそのサーバーを破壊し、ウクライナの鉄道を混乱させることができてしまう。
すると何が起きるか。例えば戦争が始まった瞬間に鉄道を止めることができてしまう。前線に武器弾薬を運ぶことも、民間人を安全な場所に逃がすこともできなくなり、国は大混乱です。