筆者が騙された!国勢調査に“便乗”した「本人確認詐欺」の巧妙すぎる手口とは写真はイメージです Photo:PIXTA

実はこの度恥ずかしながら、本当に恥ずかしながら詐欺被害にあった。せっかくなので我が無念への供養と情報共有による注意喚起のため、本件についてここで報告させていただきたい。(フリーライター 武藤弘樹)

やってきたら思い出す
「国勢調査」ってどんな調査?

 詐欺被害の前に、国勢調査の現状についてさらっておきたい。

 当記事の構成は「国勢調査の現状など→国勢調査に乗じた詐欺の実態→私が騙された詐欺」となっているので、私がいかにして詐欺にあったのか(私がいかに愚かで無様なダンスを繰り広げたのか)を優先して知りたい人は後半まで読み飛ばされるのがよろしい。

 さて国勢調査が今年も始まった。自宅のインターホンで応対したときはセールスやセールスを装った闇バイトの下見などを警戒して身構えたが、やわらかく応対していたら、ただ関連の書類をポストの投函するとのことでなんのことはなく、おそらく本物であることが確信できたのであった。

 国勢調査は5年に1度行われるならわしで、その頻度について「忘れた頃にやってくる」と言いたいところだが、「やってこられてようやく思い出す」の含意あるこの表現は国勢調査を正確に言い表していない。

 4年に1度でもオリンピック・パラリンピックくらいインパクトがあればしかと記憶しているが、国勢調査は存在感がうっすらしているので「完全に忘却した頃にやってくる」と表現するのが実態に近い。

 5年越しに「国勢調査です」とインターホンが鳴らされて「国勢調査……そんなのたしかあったかな……詐欺とか悪質な営業じゃないだろうな……」という不信感を5年周期で繰り返す、これが国勢調査である。