
劇団員役の出演者たちは
ホンモノだった!!
嵩が関わることになった作品は「見上げてごらん夜の星を」。
定時制高校に通う男5人と昼間の高校に通う女性ひとりが勉強とはなにか働くとはなにかなぜ夜なのかなぜ昼なのか考えながら青春をおくる物語をミュージカル仕立てにしたもの。
ここで出演者たちがものすごくいい感じに動いていて、これは舞台のプロだなと思った。クレジットを見ると、ハルエ(田中愛実)、井村(吉田雄)、上田(半澤昇)、佐川(宮村大輔)、サツキ(茂木沙月)、スタッフ(森山真衣)、劇団員1(志賀遼馬)、劇団2(堀内穣)は皆さん、劇団イッツフォーリーズのメンバーだった。ミュージカル指導は本藤起久子。このハルエ、井村……という名前は役名だ。
このイッツフォーリーズは「作曲家・いずみたくが1977年に創ったミュージカルを専門に上演する劇団」。いせたくや(大森元貴)のモデルいずみたく本人が創った劇団ってそりゃホンモノである。動きがよくて、全員の息が合っていいのも当然だ。
この劇団が1960年に上演した、星空の下で勉強する若者たちの物語・ミュージカル『見上げてごらん夜の星を』(いずみたくが永六輔と作り、伊藤素通とリリオリズムエアーズが出演したミュージカルのリメイク版)が劇団のサイトで見逃し配信されている。
見てみたら、いずみたくの楽曲が名曲ぞろいで、聞き心地が良かった。物語の舞台は高度成長期。そこは『ひよっこ』(2017年度前期)に近いかも? 第98、99回に出てきた『勉強のチャチャチャ』も歌って踊っていた。どうして、夜に勉強するの?という疑問を歌った歌もあった。
いずみたくの創ったミュージカルのなかには1976年に『怪傑アンパンマン』がある。『あんぱん』でもこれをやるだろうか。いずみたくゆかりの劇団の俳優たちが起用されているということは可能性はあるかも。