國學院大生の生活と性格

 おとなしくまじめなタイプが、都会のド真ん中でアットホームに肩寄せ合っている。たまたまかもしれないが、引っ込み思案の学生が多い。

 誰に聞いても、異口同音に「よくわからないので……」と口を閉ざしてしまう。「全体を代表して話すわけにはいきませんから……」「意見を言うのって苦手なんです……」と。事なかれ主義が身にしみついている印象である。

 同じ学部であれば顔くらいは知っている仲になるので、困ったときは誰にでも声をかけられる。渋谷の人混みは苦手でも、特に用がなくてもふらっと来てふらっと帰れる雰囲気の大学。性格の穏やかな人が多く、悪いことや外れたことはできない。一匹狼タイプは少ない。最大の悩みは国士舘大学と間違えられやすいこと。「同じイメージだと思われていたらショック」とか。

 また「渋谷の大学って、青山学院しか知らない。國學院って渋谷にあったっけ?」とよく言われる。学生たちも、そのことを頻繁に話題にするが、あくまで笑い話扱い。卑屈になる様子はない。

 愛校心は強くなくても、大学には満足している学生が大半のようだ。おとなしい内面を反映してか、地味めなファッションの学生も多かったが、いわゆる「渋谷っぽい」オシャレな人も増えている。

 まれに「院」つながりで学習院に間違われるが、地方での知名度が高いためそれも稀。東京出身者が比較的少なく、地方出身者が目立っている。部活やサークルに入っている人は、入学時はそれなりに多いが、徐々にやめていく。教職を取っている人は講義がハードなので、続けるのが難しい。学園祭は地味めで、あまり盛り上がらない。「他大学と比べて規模が小さく、しょぼいので残念」(文学部生)。

「勉強ばかりしてそう、と思われがちですが、そんなことはない。渋谷も表参道も近いので、学業も遊びも充実できる」(文学部生)、「入学前は『國學院大學は地味』と言われることが多かったが、地味なのは文学部だけだった。オシャレな子が他の学部に比べて少ない」(文学部生)、「第一志望で来た人はあまりいないですが、学生それぞれ満足度が高いと思いますよ。授業も静かで、教員のレベルも低くはない。勉強したいと思ってくるなら充実できる」(文学部生)、「学内がとてもキレイで、他校の友達を連れてくると必ずうらやましがられる」(経済学部生)となにかとバランス感覚に優れているのが国学院大生。