都内では今のところ1店舗、大島ピーコックストア前店のみの導入。報道によると、6月19日から試験販売が開始され、8月末までに数店舗へ拡大する予定だという。サイゼリヤの松谷秀治社長は「非常に評判が良い」と述べ、全国展開も視野に入れているとのことだ。
価格は300〜450円で、いずれもドリンクバーとポテト付き。安価な価格帯でのテスト導入で、消費者の需要を見極める段階にある。
ただの格安じゃない!ファミレスの未来像はサイゼにあり
新鮮な体験だった。ファミレスの未来像がここにあるのではないか。
均一な食事を提供するだけの場ではなく、素材と調味料を使って「自分の味」を見つける遊びの場。スマートフォンでレシピを調べるでもなく、思いつきで組み合わせて食べる喜び。家ではできないが、レストランでもしない。その中間を狙った構造は見事である。
人々が飲食チェーンでカスタマイズに夢中になる理由が、わかった気がした。同じメニューでも手を加えれば、味も体験も変わる。作ることの喜びと、食べることの驚き。
サイゼリヤが提示したのは、料理のプロセスを客の手に戻すという提案だ。そして、この朝食は、その実験場として完璧に機能している。

朝サイゼは、ただの格安朝食ではない。味覚の主導権を取り戻すプロジェクトである。
価格の安さは、自由の入り口にすぎない。最もぜいたくな朝食は、誰かが作ったものではなく、自分が仕上げた一皿である。
フォカッチャとサラダ、ジェラートと岩塩。それを選ぶ人間の思いつきが、「小さな革命」を起こした。