ガチャにハマる脳は犯罪者と同じ?スマホのドーパミン地獄が人を壊す写真はイメージです Photo:PIXTA

衝撃的な研究結果がある。ガチャ課金がやめられない人の脳は、少年犯罪者の脳と驚くほど近くなり、さらにYouTubeを倍速視聴でマルチタスクを続けると、集中力は金魚レベルまで落ちてしまうという。便利なはずのテクノロジーは、私たちの脳をどんどん破壊している。人間をダメにする、スマホの快楽ループの問題点とは?※本稿は、川島隆太、岡田拓也、人見徹『欲しがる脳』(扶桑社)の一部を抜粋・編集したものです。

当たるまでやめられない
課金ガチャの強い依存性

 スマホゲームなどの課金ガチャが社会問題となって久しくなりました。

 低確率のレアアイテムやレアキャラをゲットするため、親のクレカを使って小学生がウン百万円使ってしまった……なんてことが初期はセンセーショナルに報じられ、法的にも倫理的にも規制が年々厳しくなってきています。

 一方でネットでは高額な課金を示す「廃課金」といったスラングも日常的に使われ、スマホのガチャの収益を主たるものとする上場企業も数多くなり、もはや「ガチャに課金する」という行為自体は、特別視されるものではありません。

 このガチャも、本質的にはネットオークションやギャンブルに「ハマる」心理に酷似しています。つまり「不定期で予想外の報酬」が脳を刺激して依存を引き起こす仕組みです。

 ひとたびガチャを引けば、視覚的・聴覚的にきらびやかな演出が期待感を煽り、そしてお目当ての「当たり」を引いた瞬間のサプライズが、大量のドーパミンと結びつくことは間違いありません。

 当然のように期間限定の希少性を煽るガチャが繰り返されますし、スマホ決済の処理流暢性(編集部注/情報が脳内で処理される際の容易さや速さ)も課金へのハードル下げに寄与しています。