「認めてもらう力」があれば
チャンスをつかめる
そして、重要なことに、チャンスやポストには限りがあります。1つの会社には社長は1人だけしかいませんし、ある程度の規模の会社でも役員は数人、部長も十数人といったところでしょう。
あらゆるポスト、役割には限りがあり、それに適した能力を持っていても、認めてもらえなければ選ばれることはありません。しかし、「認めてもらう力」があれば、そのポストや役割に必要なスキルや成果を、効果的にアピールすることができるようになるでしょう。
数に限りがあるということは、周りに能力を認められてはじめて、面白い役割が回ってきたり、重要なポストに就けてもらったり、上の人に引き上げてもらったりすることができるということです。社会人経験が浅くても、社歴が短くても、転職や異動したばかりであっても、自分の能力はどんどんアピールすべきでしょう。
もちろん、「ポストに就ける人=どこに行っても通用する人」というわけではありませんが、重要なポストや役割に就けば仕事の幅も責任の範囲も広がり、それに伴いビジネスパーソンとしての経験値が上がります。まさに「機会は人を育てる」です。ポータブルスキルや転用可能な専門スキルの源泉も、格段に増やすことができるでしょう。

転職市場も「一般社員市場」「マネジャー市場」「エグゼクティブ市場」という感じにゆるやかに層化されており、どこかの組織で一定の水準のポストに就けた人は、次の会社でも同程度のポストからスタートをすることができるというメリットもあります。ベンチャーでマネジャーだった人が大手企業のマネジャーになるようなことも、よくあることなのです。
先行き不透明で不確実性の高い「VUCA」の時代に、どこに行っても通用する人材になるためには、「自分から努力をアピールするのは気が引ける」などと思わないこと。
普段からスキルアップに努めることが前提ですが、自ら積極的に周囲に働きかけ能力を認めてもらう姿勢にぜひ切り替えていきましょう。