誰でもいい睡眠をとりたいとはいえ、年齢と遺伝はコントロールできないので、自分でコントロールできる要素、つまり「食事・運動・夜のルーティン」に着目するのがいいだろう。
たとえば、食生活に加工食品、保存料、人工香料や着色料、農薬、過剰な糖分や炭水化物が含まれていれば、そういった食品の影響に対処するために、身体は余分に睡眠を必要とするかもしれない。
また、就寝に近い時間(1~2時間以内)に食事をすると、睡眠中に食べ物を消化するという負担が身体にかかり、完全に休息して回復するための時間が邪魔されることになる。
逆に、健康的で栄養価の高い食品を摂り、就寝の2~3時間前に最後の食事をすませると、休息と回復の効率がぐっと良くなる。
健康的な食事をしている人は、不健康な食事をしている人に比べて、たとえ睡眠時間が少なくても、エネルギーに満ちていて、てきぱきと動くことができるものだ。
睡眠には個人差があることから、本記事では、僕自身の経験や実験、そして過去の睡眠習慣の研究から得られた結論を紹介したいと思う。もちろん、これがすべての正解ではないが、参考になれば幸いだ。
「朝が苦手」という感覚は
ただの思い込みだった?
さまざまな睡眠時間を試してみて、僕はまったく予想外の発見をした。それは目覚めたときの気分は、「本当の睡眠時間」だけではなく、朝の気分に関する「自分の思い込み」に影響されるということだ。
たとえばあなたが、自分が疲れをとるのに8時間の睡眠が必要だと信じているとしよう。明日朝6時に起きる予定で夜中の0時にベッドに入ったとしたら、こう思うのではないか。
「今日は6時間しか眠れない。だから明日は疲れがとれていないだろう」
そしてアラームが鳴って起きる時間だと気づいたときに、どうなるだろう?
意識に最初に浮かぶ考えは、通常は寝る前に抱いていた考えと同じだ。
「思った通りだ。6時間しか眠れなかったから、疲れがとれていない」