商品レビューやグルメサイトでも、口コミサイトに書かれていることを参考にするにせよ、安易に鵜呑みにしないほうがよいことはかなり広まっているように感じます。では、転職活動にあたり企業の口コミサイトの情報はどのように活用すればよいでしょうか。
「社長が超ワンマンで強権的」
口コミは事実か評価か?
まず大前提として認識しておきたいのは、企業の口コミサイトに書き込む人は退職者が比較的多いと考えられる点です。
退職者は何らかの不満を持って辞めることが多いので、書き込み内容は否定的になりやすい傾向があります。
しかし、同じ物事を見たとしても、人によって感じ方は異なります。たとえば、ある中堅企業では、既に退職した人が「社長が超ワンマンで強権的」と、嫌悪感を匂わせながらネガティブな書き方をしていました。
私から見ても、確かにこの社長はワンマン経営をしています。しかし、中堅規模の成長企業で、しかも競争の激しい業界であればワンマン経営になるのは必然的かもしれません。
実際、同じ会社に対する別の書き込みでは、「社長にリーダーシップがある」という趣旨のポジティブな内容が書かれていました。
つまり、この社長がワンマン経営であることに間違いがなくても、社員によって受け止め方が大きく異なるわけです。退職した社員は、この社長とはミスマッチだったのでしょう。
ですから、一つひとつの口コミに引っ張られないようにして「この人はこういう見方、感じ方をしているんだ」と一歩引いた視点で読んでいくのがよいと思います。
もしくは、俯瞰的に全体の傾向を掴(つか)むような読み方がよいでしょう。これは口コミ内容がネガティブでもポジティブでも同様です。
口コミに限ったことではありませんが、情報収集では事実とそれ以外に分けて捉えることが大切です。この例でいえば、社長がワンマンであることは事実。それに対する社員の評価はさまざまで、中には個人的な感情を書き込んでいる人もいます。赤の他人の主観的な評価に引きずられないことが大事と言えます。