低レビューでもいい飲食店は何がいいの?
「企業」にも共通する“選び方”
事実は一つでも、解釈や感想が異なることは珍しくありません。評価軸は一つではなく、人によって異なるからです。私が行きつけにしている、ある都心の料理店はグルメサイトの評点が平均程度で、悪口もたくさん書かれています。
そうなるのはよくわかります。出てくる料理すべてが抜群に美味しいのですが店主はちょっと気難しく接客担当の奥様は少し鈍くさく、客の大半が常連なので、ネットで検索して突然来店したような人にとってはかなり居心地の悪いお店だからです。
しかし常連客に連れられて来店し、数回通って他の客とも顔なじみになればとても居心地がよい。同じお店でも向いている客、向かない客がいるわけで、本当は向いているタイプの人がネットの悪評を鵜呑みにして敬遠したら、美味しい料理をいただきながら常連客と楽しく過ごせたかもしれない未来を失います。
転職に話を戻すと、応募を検討している会社の口コミ評価が高かったとしても、それはあくまで他人の評価であって、自分の評価軸で測ると別の結論になるかもしれません。相場より高くても抜群に美味しいものを求めている人にとって、価格のリーズナブルさを基準にしている人の評価が参考にならないのと同じです。
だから口コミ情報はあくまで参考にとどめ、転職における自分の判断基準を明確にしつつ、面接でのやり取りを含めジャッジに必要な情報を集めていくことが重要です。
企業の口コミ情報を見てはいけない
“最悪のタイミング”とは?
どのタイミングで口コミ情報を参照するかも、考えたほうがよいポイントです。応募を検討している段階では、情報収集の一環で見るのはよいと思います。求人票や企業ホームページ、マスメディアの記事などと合わせ、判断材料の一つとするわけです。
しかし求人に応募し、書類選考を通過し面接の段階になったら口コミは一切見ず、自分の直感や相手とのコミュニケーションから得た情報に基づいて判断していったほうがよいと思います。お店選びと同じように、見ず知らずの他人の評価より自分にとって合うかどうかが重要だからです。