このような時勢に合わせた上手な転換も、発想しだい、ということでしょう。これまでとは違う新しい形で畳に出会った人が、イグサのいい香りやクッション性など、畳が本来持っている魅力を再発見することもあるかもしれません。
ニッチ・マーケティングを成功させるためには、当然ながら、「他店が昔のまま継続している一方で、自店で新しくできること」を考えねばなりません。他店とは異なることをやらなければ差別化ができないですからね。
そこで、多額の資本を必要としない方法を、掛け算で考えましょう。たとえば、傘屋が着物をリメイクして日傘を作るように、既存のリソースを発展させることができないでしょうか。案外身近なところに、お客が喜ぶ新しいアイディアがひそんでいるかもしれません。
中小が大企業に勝つには
顧客の声を武器にするしかない
カスタマーロイヤルティ(編集部注/顧客が企業やブランドに抱く愛着)の強化は、商売が生き残るために重要です。

結局ビジネスはお金が続けば潰れません。潰れるのは現金が枯渇するときです。そこで、もちろん新規顧客を増やすのも大事ですが、同時にすでにつながっているお客との関係を強固にすることが重要です。
たとえば、傘屋が永久保証を提供するように、購入後のケアやサポートを充実させることで、お客に「この店を選んでよかった」と感じてもらうことができます。
みなさんはお客の何を知っているでしょうか。個人情報だけではなく、商品の購買歴などを把握しているでしょうか。そして積極的にコミュニケーションを取っているでしょうか。
Googleマップ(原文では、Google Map。正式名称は、日本語版が Googleマップで、英語版がGoogle Mapsのようです。プレビュー時に版元さまに要確認)で飲食店のカスタマーレビューを見たことがありますか?味についてのコメント以外に、店員から無礼な接客をされたとか、逆に店員の感じがよかったといったコメントがたくさんありますよね。店がお客との関係性を強固にすることは、それだけ店舗にとって生命線になるといえるでしょう。
加えて当然ながら、お客のニーズは時間とともに変化します。
普段からお客と対話していれば、その声から新しいニッチサービスを発見することができる確率も高まります。大企業ではなく、中小個人の店舗であれば勝てるのは実践の早さです。お客からのフィードバックを積極的に収集し、それを基にサービスや商品を改善していきましょう。