レンジでチンすれば温め直すことができるお弁当類と異なり、アイスや氷などの食品は一度溶けてしまうと、その姿を元に戻すことができない。せっかく高いお金を出して注文してくれたのに、グチャグチャになった商品をお届けするのは、あまりに申し訳なさ過ぎる。
また、もしもお客様からBAD評価を受け、これが積み重なって配達員満足度が一定基準(非公表)を下回った場合、アカウント停止につながってしまう恐れもある。
不幸中の幸いで、次の飲食店は300メートルも離れてない場所にあった。しかし交差点を横断する必要があり、炎天下で信号が青になるのを待っている時間は、もどかしかった。
夏の季節にダブルピック(2件配送)やトリプルピック(3件配送)は本当に勘弁してほしい。なぜなら配達用バッグ(一部の心のない方から「負け組ランドセル」と呼ばれている)には、一般の方にはあまり知られていない大きな弱点があるからだ。
出前館・ウーバーから警告
「配達員バッグ」の意外な弱点
出前館では2025年5月、配達員向けに「初夏から注意! 食中毒を防ぐ配達バッグ活用法」と書かれたお知らせが配信された。ここには3つのポイントとして、「1 温度管理の徹底(温かい商品と冷たい商品を分ける)」「2 配達バッグを清潔に保つ」「3 壊れた配達バッグは使用しない」といった内容が挙げられていた。
ウーバーでは2024年7月と8月、配達員向けに「夏場の食中毒予防について」のお知らせが配信された(おそらく今年も同時期に配信されるのだろう)。内容は出前館とほぼ同じで、とどのつまり配達用バッグの温度管理等に気を付けましょうという内容だった。
上記2社のお知らせからも分かる通り、夏場の配達用バッグは(何も対策を打たないと)温度が上昇してしまう恐れがある。よって私たち配達員は保冷材を入れるなど、夏場は可能な限り「冷たさ」を意識して活動しているが……。

何度も何度も商品の出し入れをするわけで、まるで冷蔵庫のようにキンキンに冷えた状態を保つのは難しい。というより、不可能だ。そもそも配達用バッグには(例えばピザなど)温かい商品だけを入れることもあるわけで……。私が何を言いたいかと言うと、配達用バッグの温度管理には限界がある。