ペーパーテストで地頭が鍛えられる?

――なるほど。たしかに学歴による評価はある程度客観性が出てきますよね。

びーやま:そうなんです。

 しかも、僕が思うのはペーパーテストをはじめとする大学受験は、それこそ「地頭」を鍛える訓練でもあり、それを数値化するものなのではないかということです。

 たとえば、大学受験ではどこの大学をどのように受験するのかという作戦がものすごく大事ですし、どのように成績を伸ばしていくのかというのも戦略が必要です。

 勉強そのものに焦点を当てたとしても、数学なんかは問題を解決する思考力はもちろんのこと、どこにヒントがあるのか見つけ出す頭の柔らかさも必要となります。これらはどれも社会で使える能力です。

 つまり、そういった頭のよさをすべて集合させているのがペーパーテストなわけで、「社会では使えない」みたいな意見は的外れなんじゃないかと思います。

――でも、大学受験だけでは測れないこともありますよね? その点はいかがでしょうか。

びーやま:それはもちろんそうなのですが、だからといってだペーパーテストが意味がないということもないと思います。

 仮に、ペーパーテストで発揮できない能力があったとしてもそれは別で評価されるわけで、「=ペーパーテストが意味ない」みたいなのは論理が飛躍しすぎているのかなと。

 加えて、そんなにペーパーテストはむずかしいものではありません。もちろん、問題を解くのは大変ですが、問題傾向も決まっていて、答えも明確で、解説まで揃っているわけです。そうなればあとは訓練をどれだけ積むかどうかじゃないですか。世の中の高学歴な人だって、勉強は苦手だけど、根性で頑張ったみたいな人がほとんどなわけで、そこは努力の世界なわけですよ。

 厳しい言い方になりますが、そこから逃げておいて、「地頭をもっと評価してほしい」というのは逃げなんじゃないかなと。やることをやったうえで、+αのアピールをしてほしいです。

――よく理解できました。最後に学生へのメッセージをお願いします。

びーやま:たしかに勉強はつらいものです。しかし、意味のあるものでもあります。自分のことを世の中に評価してほしければ、まずは社会の評価軸のなかで自分を表現しなければいけません。その1つが受験です。

 なにも全員東大に行けなんてことはなくて、皆さんのいきたい大学に向かって努力をすればいいだけです。その努力ができれば、自然と皆さんの評価もついてきます。

「個性」や「自分らしさ」みたいなものを真の意味で手にいれるためにもまずはしっかりと受験に向き合ってほしいと思います。

――本日はありがとうございました。大変勉強になりました。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。