そこで大事なのは、私たち人間の側の判断力です。
テキスト生成AIが返した結果を私たちが取り入れるか否か、取り入れる場合にどのように取り入れるかの判断力が問われます。つまり、優れた指摘を見抜くセンスが、私たちに求められているわけです。
最終的にテキスト生成AIの使用が効果を発揮するかどうかは、指示を出し、得られた結果を処理する人間の側の力量が問われるように思います。
あなたの使い方次第で
AIは毒にも薬にもなる
テキスト生成AIは、高品質な文章を短時間で生成できるツールであり、便利であることは間違いありません。

しかし、生成される文章が常識的であり、新規性や個性に乏しい点、さらにはハルシネーションと呼ばれる噓を生成してしまいやすい点に問題があります。
また、テキスト生成AIに文章生成を任せると、その文章は私たち自身の考えた内容ではなくなり、私たちの思考能力が削がれる原因ともなり、全面依存はお勧めできません。テキスト生成AIは次のように考えたほうがよいでしょう。
(1)補助的ツール 最初から文章を書いてもらう文書生成ツールとしてではなく、自分が書いた文章の確認・改善を行う補助的ツールとして考える。
(2)壁打ちの相手 自分の書いた文章に修正のヒントをもらい、それをもとに内容改善を考える壁打ちの対話相手として考える。
(3)校正ツール 大規模言語モデルに基づく高い日本語力を生かし、表現の校正をしてくれる校正ツールとして考える。
(4)修正結果の適切な検討 テキスト生成AIが返してきた結果を正解として考えたり、そのまま鵜吞みにしたりはしない。取り入れる価値のある指摘のみを選び、改善に結びつけたほうがよい。このため、私たち人間の側に優れた指摘を見抜くセンスと、その指摘を修正に反映させるだけの力量が求められる。