古くは、リンの過剰摂取の恐れはほとんどなかったのですが、加工食品やインスタント食品が溢れている現代においては注意が必要です。知らず知らずのうちにリンを摂取しすぎて腎臓を酷使していることがあるでしょう。

 また、血中のリン濃度が高くなる「高リン血症」になってしまうと、リンがカルシウムと結合して血管を硬くし、動脈硬化を引き起こす可能性もあります。

 できるだけ、腎臓と血管を元気に保ち続けるためにも、日頃から加工食品やインスタント食品の摂取が多い人は、食事内容の見直しを図りましょう。

「疲労回復には豚肉」が常識…いえいえ、豚よりマグロが新常識!

 皆さんは、疲れたとき、どんな食品を意識して食べていますか? 「ビタミンB1が豊富な豚肉」と答える方が多いのではないでしょうか。

 実は、栄養学の世界では、その情報はすでに過去の常識となりつつあります。

 疲労回復には、マグロ、さらに赤身よりもトロが効果的というのが、新しい常識なのです。

 理由は、マグロには、近年判明した、疲労回復や予防に関わる重要な栄養素がすべて含まれているから。具体的には、イミダゾールジペプチド、ビタミンB群、ビタミンK2、鉄、亜鉛、たんぱく質、ビタミンD、ビタミンE、EPA、DHAです。

 そもそも、疲労の最大の原因はエネルギー不足です。そして、私たちのエネルギーの元は、炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素です。

 だからといって、三大栄養素をしっかりとっていればエネルギー不足にならないかというと、そんなことはありません。三大栄養素をエネルギーに変換するときには、先に挙げたようなさまざまな栄養素が必要だからです。

 その点、マグロには炭水化物はごくわずかしか含まれていませんが、たんぱく質、脂質はもちろん、イミダゾールジペプチドをはじめとした疲労回復や予防に関わる栄養素がすべて含まれています。豚肉もかなりバランスの良い食材ではあるのですが、ビタミンDと、EPA、DHAはほとんど含まれていません。

 食べ方としては、すべての栄養素を丸ごといただける、生のお刺身が一番です。これに炭水化物であるごはんを組み合わせれば、最強の疲労回復・予防メニューになります。

 トロが苦手な人は、赤身のマグロでもよいでしょう。ただし、トロのほうが、EPAとDHAは豊富です。