なかには自虐センスのある投稿も。

私はペトラ、58歳で162センチ。朝ごはんはいつもトースターと一緒に食べています。会話の相手はテレビ……そのうち掃除機に恋愛感情を抱くのではないかと不安です。ご連絡をお待ちしております。

 そして「素晴らしい!」と思ったのがこの投稿。

私は女性で82歳、楽天的な性格で人生を楽しんでいます。様々な分野で知識を身に付け、いろんなところに旅行しましたが、決してうぬぼれてはいないつもり。でも英語は完璧に話せます。基本的にいつも機嫌は良いです。バイエルンの山々が大好きで、飼犬のメスのシェパードも大好き。この投稿で素敵なパートナーと出会いたいですし、そのパートナーがバイエルンの山に住む人であれば、なおのことお会いしたいです。

 基本的にドイツの「出会い系」では、書くほうも読むほうも「文章力」が問われるというのは間違いなさそうです。この人は条件だけを羅列しているのか、あるいは人をクスッと笑わせる能力があるのかが、文章を読めばある程度、伝わってくるというわけです。

「カップル文化」のドイツと
「女子会文化」の日本

 あるドイツ人女性に「高齢者の恋愛についてどう思う?」と聞いてみたところ、クールな答えが返ってきました。

「文化の違いはあるわよね。ドイツではとにかく、パートナーがいることが大事。でも日本では『配偶者が亡くなったあとは1人でもよい』と考える人が多い気がする。私自身は実は日本スタイルで、自分がおばあちゃん(オーマ Oma)になって夫が先に亡くなったら、おばあちゃん同士で女子会をやるのもいいと思う」

 彼女は日本に長く住んでいたので、もしかしたら価値観が少し日本的になっているのかもしれません。確かに日本には「女子会」があり、男性は男性で「つるみがち」です。

 ドイツは対照的に、老いも若きも「カップル文化」なので、映画館に行くのも、旅行に行くのも、「いつもカップルで」という人が年代を問わず珍しくありません。驚くのは、2024年のジェンダーギャップ指数では世界第7位、それだけ男女平等が進んでいるドイツなのに、「1人で外食する女性」が市民権を得ていないことです。