ドイツ人女性は女友達との食事に
彼氏を同伴

「1人でレストランでランチをするのはちょっと……」と考える女性は、体感として日本よりもドイツのほうが圧倒的に多い印象です。それが夜ご飯であればなおのこと。

 だから私もドイツ人の女友達と食事の約束をし、直前に「彼氏も連れて行っていい?」と打診があっても、特に驚きません。よほどの理由がない限りは応じます。ただ日本的な感覚だと、こういうのは「×」であるということも、よくわかるのです。

「私&カップル」の3人で山歩きをしたり、食事をしたりというのは嫌いではありません。その一方で、ドイツ人女性の口から発せられる文章がすべて「私の夫が……」(“Mein Mann”)で始まるのは、少々疲れるのでやめてほしいな、と思ってしまいます。

書影『ドイツ人は飾らず・悩まず・さらりと老いる』『ドイツ人は飾らず・悩まず・さらりと老いる』(サンドラ・ヘフェリン、講談社)

 日本では、長年付き合いのある友達でも「夫の話」がほとんど出てこないことも多く、実を言うと私はこれを「居心地がよい」と思っています。友達のパートナーの話にどう反応したらよいか困るからというのもありますが、ぶっちゃけ「もっと面白い&オチのある話があるでしょ」と思っているからです。まあ、私自身が夫の話を全くしないかと聞かれると自信はありませんが、自分の話や芸能ネタ、時事ネタが多い自信はあります。

 なにはともあれ女性も堂々と「一人ランチ」「一人カラオケ」や「一人旅」ができる日本は「おひとり様に優しい素晴らしい国」だと思います。

 こうして「ドイツ人は~」という本を書いているわけですが、ドイツも日本も知る私としては、おひとり様や女同士の心地よさもよくわかります。だからこそ、「恋はしてもいいし、しなくてもいい。幾つになっても好きにしたらいい!」と思うのです。