「ゼロイチ」とは0から1を生み出すという意味で、何もないところから、新たなアイデアを生むことを指します。

 文字通り「まだ世の中にない、新しいモノやサービス、価値を生み出すこと」で、誰も考えたことのない斬新で新しいアイデアを出すことです。

 もしも、そんなアイデアを会議で出し、それが実現して大ヒット企画につなげられたら、どれだけ素晴らしいでしょう。誰もが一度は夢見ることですが、私に言わせれば、夢であっても絶対に考えないほうがいいと思います。

 未知の領域への挑戦のため成功の確率が低くリスクが高いこと、新しいアイデアを生み出すこと自体が難しいこと、多くの時間・資金・人材が必要でゼロから集めるのは大変であることなど、まさに発明家の領域です。

 世の中には、ごくまれにゼロからイチを生み出す人がいますが、研究者か発明家として生きるタイプの人でしょう。会社勤めに向いていないと思っています。

 そもそも世の中にゼロイチはそうそう存在しません。

 あなたが、斬新なアイデアだと思っているものも、真の意味でゼロイチなものは少ないものです。

 例えば、スマートフォン。一見すると、まったく新しい商品として世に出てきたようなイメージがありますが、よく考えてみれば「電話×パソコン」が原型です。もちろん技術革新でポケットに入るサイズにまで小型化した点はすごいのですが、けっしてゼロイチではありません。

2ちゃんとニコ動を生んだ
ひろゆきの「1%の努力」

 発想術のロングセラー『アイデアのつくり方』(CCC メディアハウス)を著したジェームス・W・ヤングは「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ」と語っています。

 アイデアとは、まったく何もないところから、ポンと生まれてくることは滅多にありません。すでにあるものを、どう組み合わせて新しさを演出するのか、それが勝負の分かれ目なのです。