
三田紀房の受験マンガ『ドラゴン桜2』を題材に、現役東大生(文科二類)の土田淳真が教育と受験の今を読み解く連載「ドラゴン桜2で学ぶホンネの教育論」。第82回は、模擬試験における「休憩時間の過ごし方」を考える。
休憩に向く間食、向かない間食
東京大学現役合格を目指す天野晃一郎と早瀬菜緒は、はじめての東大模試に挑戦する。早瀬は、同級生の小杉麻里が休憩時間に箱買いしたドーナツを食べているのを見て、衝撃を受けるのだった。
模試や本番の休憩時間に何を食べるかは確かに重要だ。家庭のサポートが必要な場合もある。
『ドラゴン桜2』本編でも取り上げられていた通り、チョコやアメが基本となるだろう。冬の受験本番は心配ないが、夏場の遠い会場での模試では、移動中に溶けてベタベタになることもあるため、注意が必要だ。
また、ポロポロとこぼれるものもおすすめできない。自分の席の掃除が面倒なのは言わずもがな、床や隣の席に散らばってしまうと、他の受験生にも迷惑がかかるからだ。その意味でドーナツは残念ながらおすすめできない。
私が受験生だった2年前は、今以上に新型コロナウイルスが心配されていた頃だった。
しかし冠模試(各大学に特化した模試)となると、体調不良なのに無理して参加する受験生もいる。感染しない・させないためにも、食べ物が直接手に触れるものは避けるようにと母に言われた記憶がある。
その意味では、間食としてのおにぎりもおすすめだ。中に小さな唐揚げなどパワーがつくものを入れておくと、長時間の試験にも耐えられる。いずれにせよ、片手に参考書などを持って最後の復習ができるようなサイズのものがいいだろう。
いかに「何もできない休憩時間」を活用するか

休憩時間にすることは、間食だけではない。
最後の復習をしたり、トイレに行ったりする。間違っても友達と話してはいけない。前の科目の答えを聞いてしまった際には、気になって集中できなくなる。意識的に友達と話しにいく人はあまりいないだろうが、他の人の会話が耳に入ってしまうこともあるから厄介だ。
あまり知られていないことだが、東大入試の本番は、「何もできずただ席に座っている休憩時間」がとても長い。全ての試験場で回答用紙が回収され、1カ所に集められるのを待つ必要があるため、回収されてから席を立っていいと言われるまで20〜30分かかる。
その時に前の科目の間違いに気づいてしまったら、後悔してもしきれない。頭の中で英単語帳を開いてみたり、イスラーム史についてまとめてみたりと、次の科目の復習をしておこう。
休憩時間が終わって次の試験が迫ってくると、席について参考書をしまうように言われる。心なしか心臓がバクバクしてくる。この時間は効率的に使うというよりは、自分の心を落ち着かせるために使うのがいい。
私の友人の中には「数学の加法定理の証明を頭の中で唱える」「推しの顔を思い浮かべる」などさまざまだ。
私は机の下で手を合わせ「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」の印を結ぶのがルーティンだった。小学校2年生のときに忍者にハマっていたというだけで特に深い意味はないのだが、なんだか強くなった気がする。
試験というと、試験中ばかりに気が向けられがちだが、休憩時間の過ごし方も考えなくてはならない。本番に焦ることがないよう、模試を受ける中で徐々に「自分の流儀」を確立するのがいいだろう。

