東京郊外の主要駅付近路線価はどれくらい上がったか
新型コロナ禍によって、路線価は2020~21年にいったんは落ち込んだものの、コロナ禍の終息とともに回復基調にあり、冒頭でも触れたように25年は全国的に10年以降最大の上昇率を見ることとなった。路線価の上昇は、土地の所有者にとっては資産価値の向上を意味するが、将来それらを相続する人にとっては相続税の負担増を示唆する指標でもある。だから、あながち喜んでばかりもいられない。
実際に、1960年代後半~80年代のマイホームブームで大都市の郊外に続々と建った「庭付き一戸建て住宅」の敷地の路線価も現在は軒並み上昇している。そこで生まれ育った子世代は今、都心のマンションに住み、共働きで住宅ローンの返済や教育費の支払いに追われている。
郊外にある“実家”で相続が発生した際には、このまま土地の値上がりが続けば相続税が課税されることも想定され、そうなると現在の支出に加えて相続した住宅の維持費のほかに納税資金の準備も必要になり、家計はさらに圧迫されるだろう。
図表2は、かつてベッドタウンとして開発された東京の多摩地区(※2)にある主要駅周辺の最高路線価の推移を、前年比と共に示したものだ。22年以降は上昇傾向にあるが、それが25年に急加速しており、東京都全体の上昇率である8.1%を超える場所も複数見られる。
※2 東京都の特別区と島しょ部を除く30市町村