
国税庁が発表した令和7年分(1月1日時点)の路線価は、全国平均で前年比2.7%の上昇。4年連続のプラスで、2010年の現行評価制度導入以来、最大の上昇率となった。地価の上昇は土地所有者の資産価値向上につながる半面、相続する子に不動産の維持費や相続税の負担を強いる場合もある。今後の地価上昇を想定すると郊外の住宅を相続した場合、相続税はどれくらい掛かるのだろうか。そして、郊外の住宅を相続した際にありがちな親族間のトラブルとは……。(ZEIKENメディアプラス 代表取締役社長 宮口貴志)
住宅地も路線価上昇で相続税への影響は?
都市を中心に土地価格の高騰が続く中、7月に発表された2025(令和7)年の路線価は全国平均で、前年比で2.7%上昇、4年連続のプラスとなった。現行の評価方式が導入された10年以降、最大の上昇率である。訪日外国人の増加によるインバウンド消費拡大やホテル建設地需要、そして都市部の再開発やマンションを中心とする住宅需要の高まりなどが、その主な要因とされる。
路線価とは、国税庁が定める道路に面した標準的な土地の1㎡当たりの評価額を言う。今年は35都道府県で路線価が上昇し、東京が8.1%で全国トップ。それに沖縄6.3%、福岡6.0%が続く。各都道府県庁所在地の最高路線価(※1)の中で40年連続最高額の東京都中央区銀座5丁目「鳩居堂前」は、昨年比+8.7%の4808万円となった。
今回取り上げるのは住宅地の路線価である。路線価が上昇すると、相続にどのような影響が生じるのか。経済が右肩上がりの時代に現在80代の親が建てた住宅、つまり、実家の相続を考える40~50代の子にとって、相続税(および贈与税)の算定に用いる路線価の上昇は、深刻な問題である(詳細は後述)。
路線価は、不動産取引に用いられる実勢価格と同様、生活利便性や環境の良さが価格に反映される傾向がある。例えば、北千住(足立区)や浅草(台東区)は、再開発の影響やインバウンド需要によって、最高路線価がそれぞれ昨年比26%、29%と急上昇した。都心部の港区・千代田区・渋谷区などは安定した高価格帯を維持しており、これらの路線価は当面高値で推移するものとみられている。
※1 令和7年分都道府県庁所在都市の最高路線価(国税庁、PDFに遷移)