それは、この仕事が簡単にできると勘違いされたら困るからです。ちょっと話をすればいいんでしょ、みたいに。あとは、うちが裕福だと思って贅沢(ぜいたく)をしたがるかもしれないからです。

 だから、難しいんですけど、僕はそれなりに収入があるよと答えますが、でもわが家は贅沢をしない。買い物は普通のスーパーでするし、ごはんは家で食べる。自家用車は持たない。

 夏に家族で海外旅行をしました。それ自体は贅沢なことですが、飛行機はエコノミークラスです。おカネの使い方が大事であって、おカネに見合った喜びが得られるような買い物はすべきですが、ムダ遣いはしません。

――日常の買い物などで、お子さんにおカネの大切さを教えたりすることはありますか。

 それはすごく大事なことです。うちの近所のスーパーは、商品によって、値段とは別に100グラムあたりの金額が書いてあるものがあります。たとえばヨーグルトを買うときに、100グラムあたりの金額がわかれば、どのメーカーのものがお得かがすぐにわかります。

 でも、100グラムあたりの金額が表示されていない商品は、比較が難しい。そういうときは自分たちで計算してみます。子どもが小さかったころは、よくやっていました。同じ200円の商品でも、こっちは200グラム入りで、こっちは180グラム入り。どっちが安い?とか。

 そういうことをやって、値段とはなんぞや、賢い買い物はなんぞやっていうのを一緒に考えていましたね。いまは高校生だからそんなことに付き合ってはくれませんが……。

パックンが子どもに
肉体労働をさせたいワケ

――高校生になられたお子さんを見て、そういったパックンさんの教えがきちんと伝わっているなと感じますか。

 おカネは大事にしていますし、ムダ遣いも少ないと思います。たとえば、娘は16歳で洋服が大好きなんですね。でも、高いブランドじゃなくて、セコハン(中古)をよく利用していて、フリーマーケットなどで1000円で掘り出し物を見つけたりして楽しんでいます。