「信頼されるリーダー」と「嫌われるリーダー」の違いを決めているのは、特別な才能でもなく、経験からの小さな学びだ。
世界の一流たちは、小さな学びを意識することで成功してきた。
ペプシコーラ、ケンタッキーフライドチキン、ピザハットを次々と再生し、「フォーチュン」や「ハーバード・ビジネス・レビュー」が選ぶ世界トップリーダーである伝説のCEOデヴィッド・ノヴァクが、成功者100人から得た知見を『Learning 知性あるリーダーは学び続ける』にまとめている。本記事では、その一部を抜粋・編集し、「人生も仕事も成功し続ける秘訣」を紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

部下が絶対一緒に仕事をしたくない上司の口癖・ナンバーワンPhoto: Adobe Stock

やる気を奪う一言

「こうすればコストを減らせるはずです」
「このキャンペーンはこう改善できます」

そんな提案をしても、上司から返ってくるのは、
「今朝、まったく同じことを考えていた、気が合うね」
「昨夜シャワーを浴びていたら同じことを思いついたよ」

一見すると冗談めかした返しですが、繰り返されれば部下はこう感じます。

「自分のアイデアは意味がない」
「結局、評価されない」

やがて誰も積極的に意見を出さなくなり、チームは静まり返っていきます。

横取りは不安の表れ

もちろん、リーダーが本当に同じアイデアを考えていた可能性もあります。
しかし、それをいちいち口にするのは、周囲からすれば「手柄の横取り」です。

背景にあるのは、リーダー自身の不安。
「自分も優秀である」「自分は上司たる人間である」と証明しようとする気持ちが、つい言葉に出てしまうのです。

称賛がチームを変える

著者はこう助言します。

「どんなリーダーでも、部下が提案するアイデアをすべて先回りして考えることなどできません。大切なのは、アイデアを褒め、誰もが積極的に提案できる空気をつくることです」

同じアイデアでも「譲る」姿勢が大切

良いアイデアは、すでに誰かが思いついていることも多いもの。
けれど、それを「自分も考えていた」と奪うのではなく、「いいアイデアだね」と称賛する。

その一言が、部下のやる気を高め、次の提案につながります。
逆に横取りの一言は、未来のアイデアを摘み取ってしまうのです。

リーダーに必要なのは「自分の優秀さを示すこと」ではなく、部下が自由にアイデアを出せる雰囲気を育てること
その第一歩は、「自分も考えていた」という口癖を封印することなのです。

(この記事は『Learning 知性あるリーダーは学び続ける』をもとに、一部抜粋・編集し作成しました。)