世界の成功者の1人であるジェームス・ゴーマン(モルガン・スタンレー元CEO)は経験からの小さな学びを大事にしていた。
ペプシコーラ、ケンタッキーフライドチキン、ピザハットを次々と再生し、「フォーチュン」や「ハーバード・ビジネス・レビュー」が選ぶ世界トップリーダーである伝説のCEOデヴィッド・ノヴァクが、成功者100人から得た知見を『Learning 知性あるリーダーは学び続ける』にまとめている。本記事では、その一部を抜粋・編集し、「できる人になる秘訣」を紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「可もなく不可もなく」な少年時代
モルガン・スタンレー元CEOであるジェームス・ゴーマン。
彼の人生の出発点は、決してエリート街道ではありませんでした。
オーストラリアで10人きょうだいの1人として育った彼は、子どもながらに「自分は特別ではない」と痛感します。
頭のいい兄弟、スポーツ万能な兄弟、人気者の兄弟-――に比較される環境にいたのです。
父からの衝撃的な評価
そんな中、父親はさらにユニークな教育法を試みます。
子どもたち全員にIQテストを受けさせ、その結果を成績順にリビングのドアへ貼り出したのです。
ジェームスの名前の横に書かれていたのは、まさかの「中間管理職」。
父親はIQテストの結果から「お前の将来はせいぜいそこだろう」と判断したのです。
18歳からの自立
さらに父親は子どもたち全員に「18歳になったら経済的に自立せよ」と宣言。
大学の学費も自分で稼ぐよう求めました。
ジェームスは、学生寮のトイレ掃除を含む3つの仕事を掛け持ちし、必死で学費を工面しながら卒業を果たします。
謙虚さと自立心が武器に変わる
厳しすぎる父の教育は、現代では賛否両論あるでしょう。
けれど彼はこう語ります。
「大勢のきょうだいの中で育つと、自分は特別じゃないと悟る。だからこそ謙虚さと自立心を学べた」
凡庸とされた少年は、逆境の中で培った資質を武器に、ついには世界的金融機関のトップにまで上り詰めました。
凡人だからこそ伸びる力がある
「凡庸」と言われたことも、「自分で稼げ」と突き放されたことも、ジェームスにとっては最大の学びでした。
成功の原点は、特別な才能よりも「謙虚さ」と「自立心」。
誰もが今すぐ身につけられる資質こそ、キャリアを大きく変える力になるのです。
(この記事は『Learning 知性あるリーダーは学び続ける』をもとに、一部抜粋・編集し作成しました。)