
話が伝わらない原因は、こちらの伝え方ではなく「相手が聞く準備をしていない」からかもしれない。各界で成果を出すコンサルタントとして知られる高橋輝行氏は、まず初めに“相手の思考のスイッチをONにする”という発想を提示する。その具体的な方法とは?※本稿は、高橋輝行『結果を出すコンサルだけが知っている 「伝わらない」がなくなる話し方の順番』(あさ出版)の一部を抜粋・編集したものです。
思考のスイッチがOFFの人が
なかなかうまくいかない理由
以前、ある社長の出資の相談に乗った時のことです。
社長「腕のいいシェフに出会って、自分の店を持ちたいと言われたので、出資することにしました。高橋さんはどう思いますか?」
高橋「社長は、その店をどのように運営していくかイメージをお持ちですか?」
社長「外食業界のことは分からないので、全てシェフに任せるつもりです」
高橋「もしシェフが居なくなったら、お店はどうやって経営するのですか?」
社長「その時は、別のシェフを見つけて任せますよ」
高橋(んー、ずいぶん楽観的だな。この先大丈夫だろうか…)
後日知人から聞きましたが、レストランを出店してからずっと赤字が続いたため、社長はシェフをクビにして別のシェフを雇ったそうですが、赤字は改善されず1年足らずでレストランを閉店したそうです。
自分では考えず、誰かに任せきりにしている。このような状態を「思考のスイッチがOFFになっている」状態と言います。
思考のスイッチがOFFになっている人は、自分で考えるのではなく答えを欲しがり、答えを出せる人に依存する傾向があります。