投資家は未来の共同経営者

株式を発行するということは、会社の「所有権」の一部を切り売りして、資金を集めるということです。そして、その株式を購入した人が「株主」となります。

株主は、宇根自動車の未来を信じ、「この事業は成功するだろう」と期待して大切なお金を出してくれた、いわば「共同経営者」です。事業がうまくいかなかった場合、そのお金は戻ってこないリスクを背負う代わりに、基本的に返済を求めることはありません。これが銀行融資との決定的な違いです。

企業の成長がもたらす2つの果実

では、私たち投資家が株主になるメリットは何でしょうか。それは、宇根自動車の成長の果実を分かち合える点にあります。

もし宇根自動車が大成功を収め、世界的な企業に成長すれば、会社の価値は飛躍的に高まります。それにともない、あなたが保有する株式の価値も上昇し、購入した時よりもはるかに高い価格で売却できるかもしれません(値上がり益)。

さらに、会社が順調に利益を上げれば、その一部は株主に「配当金」として分配されます。これは、事業が生み出した利益のおすそ分けのようなものです。

株式投資とは、単なる資金提供ではありません。有望な企業の未来に自分のお金を託し、その成長を応援しながら、大きな資産形成を目指せる夢のある仕組みなのです。

※本稿は『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。