採用する場合、職場がやるべき3つのこと

“傷あり人材”を採用する場合、企業が取れる対策があります。

(1)カウンセラーをつける

 それは、まず産業医に相談して、定期的に社内外の心理カウンセラーをつけることです。さらに、現場以外の人事・総務部が週に1回の1on1ミーティングなどを実施して、信頼関係を構築しモラルや責任について再確認した上で、違反がないかをお互いで再確認することも重要です。

(2)受け入れ先の部署で、ルールを定める

 セクハラ疑いで異動してきた社員について、部署の管理職間で情報を共有し、その部署では食事会は10時までに解散したり、男女2人にしないことなどを部署のルールとして定めることで対応していたケースがあります。

(3)「相談できる」信頼関係を構築する

 人事課や部署間と本人との間で信頼関係を構築し、男女問わず周りの社員との関係などをいつでも話せるように発展させました。

 このように一定のルールを作ったり信頼関係によってチェック体制を強化したりして、再発防止に努めることが大切です。

航空会社や新浪氏の再雇用ですべきことは?

 飲酒したパイロットを別の企業でパイロットとして採用する場合も、縦と横、本人のチェック体制を連携することが大切です。組織文化が強すぎると情報の共有化が意味をなさず、チェック機能が形骸化する恐れがあるため、第三者や外部の検査機関など利害関係のない人で客観的に単純に技術チェックのみを行う管理者を追加することでしょう。

 そして、フライトがない日もモニタリングチェックし、酒量や時差ボケ、体調に応じた対策の提供、さらに、アルコール依存症用のカウンセラーなどをつけるなどの対策が必要でしょう。

 余計なことですが、万が一、新浪氏を新たに受け入れる企業があれば、(時差ボケ防止のため)海外出張を減らしたり、体調管理のためのパーソナルトレーナーや産業医、カウンセラーをつけたり、服用している薬、サプリなどの定期的なチェックなどを確認できる体制を整備するなどを条件付にするといいでしょう。

 今後増えるかもしれない“傷あり人材”の活用方法、リスク管理は、今後の企業の成長にかかわってくるでしょう。

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