この矛盾を解消するには、内向きの管理の仕事だけではなく、中小企業の経営者のごとく仕事をしていく必要があると思います。ビジョンを掲げて部隊を運営し、業績向上に貢献していくような仕事です。
一方でこうした仕事をするには、経営層とつながりを保つことが非常に重要です。たとえば自分が課長で、「俺の言う通りにやっていればいいんだ」という部長の下で指示通りに動いているだけでは、ここまでに述べた管理職の罠にはまってしまうでしょう。
そうではなく、経営者や経営層とコミュニケーションを持ち、自社が掲げるビジョンや実現しようとしている世界観についてすり合わせをしながら、自分に任されたフィールドにおいてそれらの達成に邁進していくのです。
すり合わせが必要なのは、自分のやろうとしていることが実はビジョンとずれていたり、やり過ぎだったりすることもあるからで、目線や力加減を経営陣と調整しながら進めていくことが大切です。
また、すり合わせをすべき相手は会社や規模、自分の置かれた立場によって異なり、直属の上司であることもあれば、そこを飛び越えて執行役員、時には社長である場合もあり、最適な相手を選択する必要があります。
