涼しくなってくると食べ物もおいしく感じるし、食べ物がおいしければお酒もすすむ。そうなると、健康診断で心配になってくるのが肝臓、という人も多いかもしれない。工藤孝文さん監修の『「肝臓にいいこと」、ぜんぶ集めました。』(青春出版社)から、肝臓によい食事、肝臓を強くする食べもの、日々のケアの方法など、さまざまな「肝臓にいいこと」を抜粋して紹介します。

お酒好きに朗報!「γ-GTP」の数値が、ミカンで下がる
お酒をよく飲む人にとって、健康診断で最も気になる数値が「γ(ガンマ)-GTP」。肝臓での解毒に関係する酵素で、肝臓や腎臓、すい臓などの細胞に含まれている。これらの細胞が傷ついたとき、血液中に流れ出てきて、血液検査の数値が高くなる。
お酒好きの約半数の人、アルコール性肝障害がある場合はすべての人の数値が上昇するγ - GTP。毎年のように基準値をオーバーしている人は、「次の健康診断こそ、ぜひ正常範囲に収めたい」と思っているのではないか。
そこで、ある身近なものをよく食べて、健康診断に備えてみてはどうだろう。秋から冬、どこのスーパーの食品売り場にも並ぶ温州ミカンだ。
2005年、農研機構に所属する果樹研究所は、国立長寿医療研究センターなどと興味深い共同研究を行った。
まず、γ - GTPとアルコールとの関係を明らかにするため、お酒をほとんど飲まないグループと、毎日ビールの大瓶1本以上を飲むグループのγ - GTPの数値を比較。すると、飲まないグループと比べて、飲むグループの数値は約2倍も高かった。