次に調べたのは、γ - GTPとミカンとの関連性。お酒を飲むグループのなかでも、ミカンが出回っている時期、週に数個しか食べない人の数値は平均58.9IU/Lだった(基準値は0~50IU/L)。これに対して、毎日2~3個以上食べている人の平均は、33IU/Lとはるかに低かった。
ミカンのγ-GTPに対する抑制効果は、カロチノイドの一種である「β(ベータ)-クリプトキサンチン」の効能だと見られている。
β - クリプトキサンチンは、柑橘類のなかでもミカンに特別多く含まれていて、抗酸化作用が強い物質。活性酸素の発生を抑えて、肝臓などの機能を正常に保つ働きが期待できる。
がんや糖尿病など、生活習慣病の予防効果もあるβ - クリプトキサンチン。ミカンがない時期には、100%ミカンジュースを飲むのがおすすめだ。
緑茶のカテキンパワーは、脂肪肝にも肝臓がんにも効果あり!
脂肪肝だと診断された人に対して、医師がよく「これを飲んで」という飲みものがある。こう聞けば、健康効果の高いサプリや青汁、漢方の煎じ薬のようなものが頭に浮かぶかもしれない。
しかし、医師がすすめるのは、そういった特別な飲み物ではない。日本人が昔から飲んでいる、ただの緑茶だ。
緑茶の健康に対する作用は、独特の苦みのもとであるカテキンによる。カテキンはポリフェノールの一種で、高い抗酸化作用を持つ。体内に入ると、肝臓で脂肪の代謝が活発になり、脂肪肝や肥満の解消に向けてスイッチが入る。
また、糖を中性脂肪に変換する働きを抑える効果もある。体の基本的で重要なメカニズムなので、少しくわしく見てみよう。
まず、糖質を食べると血液に糖が入り込み、血管に負担がかかる状態になる。そこで、すい臓からインスリンが分泌され、その作用によって、血液中の余分な糖が中性脂肪に変換されて肝臓に蓄えられる。これが脂肪肝を引き起こす原因のひとつだ。