そこで、緑茶の出番。緑茶を飲むと、カテキン効果で糖質がゆるやかに吸収され、血糖値は急上昇しない。当然、インスリンの分泌も抑えられ、肝臓に中性脂肪がたまりにくいというわけだ。

 カテキンにはがん予防の効果も期待できる。東北大学大学院の調査では、緑茶を1日に5杯以上飲んでいる人は、1日1杯未満しか飲まない人と比べて、肝臓がんになるリスクが明らかに低かった。

 胃がんについても同様で、国立がん研究センターの研究によると、緑茶を1日5杯以上飲んでいる女性は、1日1杯未満の人と比べて、胃がんのリスクが21%も低かった。男性の場合も、進行性の前立腺がんについて、リスクが半減するとわかった。

 食事のときはもちろん、ちょっと休憩する際にも緑茶を飲もう。ただし、覚醒効果の高いカフェインが含まれているので、夕食で何杯も飲むのはやめておきたい。

食べてすぐ寝ると牛になる?いえいえ、肝臓には良いことだらけ

「食べてすぐ横になると、牛になるよ」。子どものころ、親からこのように言われた覚えがないだろうか。「三つ子の魂百まで」のことわざ通り、中高年になってからも、親のしつけをしっかり守っている人も多そうだ。

 しかし、そろそろ考え方を180度変えたほうがいい。「食べてすぐ横になると、肝臓が健康になる」のだから。

 食べたあとのごろ寝が肝臓にいいのは、流れる血液の量が増えるのが理由だ。

 見た目の赤黒さからわかるように、肝臓は非常に多くの血液を必要とする臓器。毛細血管が張り巡らされていて、流れる血液から栄養や有害物質を受け取り、代謝や解毒といった働きを行っている。

 小腸から肝臓に向かう血管は、門脈という名。この門脈は血液がどくどくと力強く流れる動脈ではなく、血流が控えめな静脈だ。

 静脈の低い血圧のもとで、小腸から肝臓へと血液を勢い良く送り込むには、重力の影響をできるだけ少なくしたほうがいい。そこで、食べたらすぐに横になるのだ。