たとえばポッキーは、消費者の「楽しい時間を共有したい」「SNSでのシェアを楽しみたい」という潜在的なニーズを引き出したと言えるでしょう。単なるお菓子ではなく、社会的なつながりや遊び心を提供しています。

 じゃがりこは、忙しい中で、簡単に食べられて、かつ美味しいスナックが欲しいという消費者の潜在的なニーズを掘り起こし、そのニーズを見事に満たしています。

 キットカットにおいては、休憩という瞬間に必要だった「リフレッシュ」や「自己ケア」のニーズを引き出し、消費者がふだん意識していなかった心理的な満足を提供しています。

ブランド戦略ひとつで
商品の価値は跳ね上がる

STEP6 持続的な価値の提供による信頼性の構築

 一時的な人気に終わらないために、ヒット商品がどのようにして持続的に価値を提供し続け、消費者との信頼関係を築いたのかを深く掘り下げます。この観点では、単に一度の購入で終わらないリピート購入を生む仕組み、ブランドのファンを増やす施策などを考慮します。

 たとえば、ポッキーは、定期的に新しいフレーバーを投入したり、キャンペーンを実施することで消費者の関心を引き、ブランドの持続的な価値を提供しています。これにより、長期的なファンを育てています。

 じゃがりこは、一貫して高品質で変わらぬ味を提供し、消費者に安心感を与えることに成功しています。手軽さと満足感を持続的に提供し続けていると言えるでしょう。

 キットカットは、定期的な限定フレーバーや、エシカルな取り組み(フェアトレードなど)を通じて、消費者に持続的な価値を提供しています。

 これにより、ブランドの信頼性を強化し、長期的なロイヤルティを築いています。