このように、分析するお菓子の数を増やすことで、より深く広範な洞察を得ることができ、実践的なビジネススキルの向上につながります。

手軽なポテチがほしい
ニーズに応えた「じゃがりこ」

STEP2 消費者の感情・心理に基づく分析

 ただ単に「売れた商品」の共通点を見るだけではなく、「なぜ消費者がその商品に魅了されたのか」を深掘りします。消費者がその商品に対してどんな感情を抱いたのか(安心感、興奮、自己表現の手段など)、その心理的な要因を探ります。

 たとえば、ポッキーは「楽しい」「シェアしたい」という感情に訴えかける商品だと言えるのではないでしょうか。消費者は、この商品を手に取ることで「楽しさ」や「人とのつながり」を感じることができます。

 じゃがりこは、カップ包装によって「便利さ」と「満足感」を提供しています。手軽に食べられるうえに、ポテトのサクサク感や濃厚な味が食欲をそそり、消費者に快適な食体験を与えているのです。

 キットカットは、「休憩」をテーマにしています。忙しい日常の中で短いリフレッシュの瞬間を提供し、「自分へのご褒美」という感情に訴えます。小さな休憩の象徴として、消費者は心理的な安らぎを感じます。

 これらの分析により、「人がなぜその商品を手に取ったか」という根本的な動機を理解し、ヒットの法則を感情に根差したものに変換できます。

STEP3 時間的なトレンドの変化を考慮する

 ヒット商品は、その時代特有の社会的背景や文化的トレンドと深い関係があることが多いです。

 たとえば、ポッキーは、SNSの普及により「シェア文化」を強調する製品として人気を集めました。「自己表現」や「友達とのつながり」といった時代のトレンドと合致していると言えるでしょう。

 じゃがりこは、忙しい現代人向けに「手軽で美味しい」食品が求められる中で、手軽に食べられる便利なスナックとしてヒットしました。これも時代の流れに適応した商品です。