【教訓3】
代わりはいくらでもいる

 ビジネスの世界でも、中途半端な知識で仕事をしたり、目標が曖昧(あいまい)なまま多額の予算を投じてしまったりして、全く成果が出ないということがある。また謝罪においても責任の所在を曖昧にし「想定外だった」「不可抗力だった」という言葉を入れた謝罪は、反省よりも自己弁護を優先していると捉えられる。「生兵法」は避けたいところだ。

 そして3つ目に学ぶべき点は「ビジネスにおいて、代わりはいくらでもいる」だ。

 自分に自信があればあるほど、他の人間には自分の代わりはできないと考えがちだ。ただ社会において「余人をもって代えがたい」と言える人間は本当にごく少数だ。部署異動や転職などで自分がいなくなった後も、組織というものは何事もなかったように普通に動いていくものだ。

 松尾が所属する芸能界は特にその傾向が強い。ここ1年で考えても松本人志、中居正広、石橋貴明、国分太一といった超有名人たちが芸能界から姿を消した。けれど、彼らがいた席にはほかの芸能人が座り、芸能界は何事もなかったように動いている。仮にチョコレートプラネットが消えても、1週間後には違和感はなくなり、1年後にはほとんどの人がいなくなったことを忘れているはずだ。

 8月24日に放送された「情熱大陸」チョコレートプラネットの回では、こんなシーンがあった。TOKIO解散のニュースを見るチョコレートプラネットの2人。そこに「芸能界、足場はもろい」とナレーションが入る。そこで長田は「基本終わると思っている。だから次の一手を打たないと」と話す。自分たちの地位が盤石でないからこそ、必死にならなければいけないという発言だった。

 そんな注意を払っていたチョコレートプラネットですら、少しのミスや驕り(おごり)から一気に地位を危うくしてしまう。驕りはどんな立場の人間にも忍び寄る。だからこそ、襟を正して、謙虚に生きる必要がある。