中居正広Photo:SANKEI

中居正広氏の性加害疑惑をめぐり、週刊文春は訂正記事を出した。だが、記事全体を読み解けば根幹が揺らぐものではなく、被害を訴える女性の存在やフジテレビ側の対応といった問題は依然として重く残る。スクープを連発する週刊誌報道の裏側に迫る。※本稿は、赤石晋一郎『なぜ週刊誌だけがスクープを連発できるのか―元文春記者が見るスキャンダルの裏側』(平凡社)の一部を抜粋・編集したものです。

性加害記事の訂正で
吹き始めた文春への逆風

 週刊文春報道vsフジテレビという対立のなかで、優勢に見えていた週刊文春にも逆風が吹き始めた。所謂「訂正問題」が勃発したのである。

 2025年1月28日に大手メディアは週刊文春の「訂正」問題を一斉に報じた。産経新聞の記事を引いてみよう。

「中居さん問題 文春 誌面でも訂正・謝罪

 週刊文春編集部は、中居正広さんを巡るトラブルにフジテレビ社員が関与していたと報じた記事を30日発売号の誌面でも一部訂正し、謝罪したことが分かった。28日に電子版で訂正していたが、「編集長より」と題した巻末の文章で、訂正の内容を改めて説明した。

 30日発売号の特集は「“フジテレビの断末魔”総力取材15ページ」。編集部が訂正を発表するきっかけとなった、橋下徹さんが「(続報で)しれっと誤りを上書きしていた」と同誌を批判するインタビュー記事も掲載している」(産経新聞2025年1月30日)

 週刊文春編集長名で発表された訂正記事は次のようなものだった。