――体力的にきつくないのでしょうか?
坂本:データを見ると労働時間は長めです。平均労働時間は週37.5時間で、本書で紹介している19職種のうちもっとも長いです。どれだけの生産物を作るかによるでしょうが、ある程度収益を確保しようと思うとそれだけしっかり働く必要があり、きつい仕事と言えますね。軽い気持ちで始めるのはおすすめできません。
――定年後に親から受け継いだ果樹園で果実栽培をされている方のインタビューを読むと、「丁寧に手をかければいくらでもやることがある」そうですね。ただ、ビジネスとして考えても決して割の悪いものではないので、廃園になった果樹園を安く買い取ってやってみてはどうでしょうかとおっしゃっていました。
坂本:後継者不足で廃園になってしまうようなところも多いですから、譲り受けてやってみるのは選択肢の一つです。ただ、やはり覚えることも多いですし生易しいものではないので、定年後にやってみたいと思う方は早めに準備することをおすすめします。

(※この記事は『定年後の仕事図鑑』を元にした書き下ろしです)
坂本貴志(さかもと・たかし)
リクルートワークス研究所研究員・アナリスト
1985年生まれ。一橋大学国際・公共政策大学院公共経済専攻修了。厚生労働省にて社会保障制度の企画立案業務などに従事した後、内閣府で官庁エコノミストとして「経済財政白書」の執筆などを担当。その後三菱総合研究所エコノミストを経て、現職。研究領域はマクロ経済分析、労働経済、財政・社会保障。近年は高齢期の就労、賃金の動向などの研究テーマに取り組んでいる。著書に『月10万円稼いで豊かに暮らす 定年後の仕事図鑑』のほか、『ほんとうの定年後「小さな仕事」が日本社会を救う』『ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」』(共に、講談社現代新書)などがある。
リクルートワークス研究所研究員・アナリスト
1985年生まれ。一橋大学国際・公共政策大学院公共経済専攻修了。厚生労働省にて社会保障制度の企画立案業務などに従事した後、内閣府で官庁エコノミストとして「経済財政白書」の執筆などを担当。その後三菱総合研究所エコノミストを経て、現職。研究領域はマクロ経済分析、労働経済、財政・社会保障。近年は高齢期の就労、賃金の動向などの研究テーマに取り組んでいる。著書に『月10万円稼いで豊かに暮らす 定年後の仕事図鑑』のほか、『ほんとうの定年後「小さな仕事」が日本社会を救う』『ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」』(共に、講談社現代新書)などがある。