誰にとっても、仕事は「引き受ける」ものから「作るもの」へと変わっていくのだ。

AIが仕事を奪う時代の鍵は
「自分の好きを突き詰める」

 では、AIに仕事が代替されていく未来において、いったいどんな人が価値を持つのだろうか。

 僕は、次の4つがポイントだと思う。

1 「好き」を突き詰める人
2 代替不可能なレア人材
3 人に必要とされる仕事をする人
4 真っ先に手を挙げる、行動力のある人

 僕が何より重視するのは、1番目と2番目に挙げた、「『好き』を突き詰める」ことで「代替不可能なレア人材」になることだ。そういう人になれれば、稼ぐこともできる。

 今や世界中で大人気の野球選手、大谷翔平選手がいい例だ。彼は日本のプロ野球、そしてアメリカのメジャーリーグで、ピッチャーとバッターの二刀流選手として大活躍し世界を驚かせた。ロサンゼルス・エンゼルスからロサンゼルス・ドジャースに移籍するときには、スポーツ史上最高額となる10年総額7億ドル(約1015億円)での契約が話題となった。

 大谷選手は自分のことを、「好きなことに関して頑張れる才能はあると思いますね。それが僕は野球でした」と表現している。まさに好きを突き詰めた結果、偉業を成し遂げたというわけだ。

 大谷選手に世界中が熱狂するのは、その存在が唯一無二だという「代替不可能性」ゆえだ。そこに人は熱狂し、価値を見出す。

 2024年に新たにビリオネア(億万長者)となった歌手のテイラー・スウィフトは、ほぼ作曲とライブパフォーマンスだけで11億ドル(約1670億円)の資産を築いた。彼女も、その存在の代替不可能性に世界中の人々が惹きつけられている。

 大谷翔平もテイラー・スウィフトも、すごすぎて一般人には参考にならない、と思うだろうか。

 僕は「1000億円稼げ」と言っているわけではない。誰しも、自分だけの「好き」を本気で突き詰めれば、代替不可能な存在となれるし、お金を稼ぐこともできるということを伝えたいのだ。