・保育園のパパ友、ママ友たちが子連れで集結し夜遅くまで居酒屋で盛り上がっている光景。
・自治体の託児サービスにわが子を預けたまま、遊びに出かけてしまう両親。
・保護者にタワマンの一室を買い与えられ、一人暮らしを始め、徐々に生活が乱れていく少年。
・公立中学校に通えないでいるわが子を心配する担任の電話に苛立ちを見せる母親。
・夜遅くまで公園でぽつんと所在なく佇む男の子を迎えに来ないシングルファーザー。
上述した5つのエピソードは、拙著の中のほんの一例に過ぎない。
「そんなの実際にありますか?」
親も子どもも自覚しづらい
今回、わたしが「ネオ・ネグレクト」の取材を重ねている中で、取材者たちの似たような反応に出合った。
取材主旨を伝えると、「ネオ・ネグレクトですか……そんなの実際にありますか?」と訝しい表情を向けられる。ところが、幾つか事例を紹介してうちに、「なるほど、確かにネオ・ネグレクトはありますね。思い当たる節が幾つか浮かびます」となる。
そう。これまでこの手の現象・態様に名が付けられていなかったこともあるのだろう。そして、ほかの児童虐待とは違い、見た目でそうと判断できるものではない。つまり、「ネオ・ネグレクト」はその行為に手を染めてしまっている当人も、その行為を受けている子どもたちも、そして、他者の親子関係についても、それが「ネオ・ネグレクト」とは自覚しづらい性質を持つのだ。
自身の、周囲の、「ネオ・ネグレクト」をまずは感取することが、この現象を減らすための第一歩であると考える。そこで、「あなたのネオ・ネグレクト度 チェックリスト10」と「あの人のネオ・ネグレクト度 チェックリスト10」を設けた。